中川信夫 (1905-1984)
戦前の東宝や戦時下の中華電影公司など様々な製作会社を渡り歩き、戦後は新東宝で『怪談かさねが渕』(1957)・『亡霊怪猫屋敷』(1958)・『東海道四谷怪談』(1959)などの傑作を生みだしたことで知られるが、撮影所ではどのような企画も引き受けてプログラムピクチャーを量産した。時代劇の監督作では大河内傳次郎主演の『新編 丹下左膳 隻眼の巻』(1939)や甲斐荘楠音が衣裳をデザインした『旗本退屈男 謎の珊瑚屋敷』(1962)が特筆される。『毒婦高橋お伝』(1958)や『女死刑囚の脱獄』(1960)、『妖艶毒婦伝 人斬りお勝』(1969)などの女性を主体としたアクション映画も手掛けた。またTVドラマ『ウルトラマンレオ』(1974)の一部も演出し、特撮の才能も披露した。中川は格調高いショットから奇抜な特殊効果まで駆使し、怪奇映画に留まらない多様なジャンルで活躍した監督である。
(執筆:宮本 法明)
(執筆:宮本 法明)
【スタッフ】
- 地獄 (1960) ── 脚本