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成瀬巳喜男 (1905-1969)

NARUSE Mikio

国立映画アーカイブ提供

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1920年に入社した松竹で『君と別れて』(1933)や『夜ごとの夢』(1933)をはじめ優れたサイレント映画を量産した後、1934年に移籍したP.C.L.(のち東宝)では『鶴八鶴次郎』(1938)や『歌行燈』(1943)など芸道物と呼ばれる日本流のバックステージ映画を切りひらいた。戦後は高峰秀子を主演に迎え、それぞれ脚本家の田中澄江や水木洋子と共に林芙美子の小説を映画化した『稲妻』(1952)や『浮雲』(1955)などで知られる。他にも『白い野獣』(1950)・『夫婦』(1953)・『山の音』(1954)・『乱れ雲』(1967)などで人工妊娠中絶や流産の主題を通して、受難しながらも辛抱づよく生きる女性を繰り返し描いた。スイスの名匠ダニエル・シュミットは『晩菊』(1954)の倉橋きんを愛し、日本で撮影したドキュメンタリー『書かれた顔』(1996)にその映像を引用した。

(執筆:宮本 法明)

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