新藤兼人 (1912-2012)
1934年に新興キネマに入社。映画美術の経験を積みながら独学で脚本を書く。1940年に『南進女性』で脚本家としてデビュー。後に松竹に所属し、『安城家の舞踏會』(1947)が高い評価を受けると、より自由な製作環境を求め、1950年に盟友の監督、吉村公三郎とともに松竹を退社して近代映画協会を旗揚げする。以後、独立プロ運動の中核を担う。自伝的作品『愛妻物語』(1951)以降は監督も務める一方、精力的に脚本を執筆し続け、『けんかえれじい』(鈴木清順監督、1966)、『しとやかな獣』(川島雄三監督、1962)、『清作の妻』(増村保造監督、1965)など多数のシナリオを提供する。遺作となった『一枚のハガキ』(2011)まで、創作意欲は衰えなかった。その作劇はイプセン、チェーホフに代表される近代劇に依拠したリアリズムの色が濃く、個人や社会の困難を扱うことが多い。特に独立以降は大手映画会社では実現困難な問題に取り組み、『原爆の子』(1952)では故郷の広島を、『本能』(1966)では人間の性を描いた。
(執筆:星 遼太朗)
(執筆:星 遼太朗)
【監督】
- 一枚のハガキ (2011)
- 石内尋常高等小學校 花は散れども (2008)
- ふくろう (2003)
- 午後の遺言状 (1995)
- ある映画監督の生涯 溝口健二の記録 (1975)
- かげろう (1969)
- 強虫女と弱虫男 (1968)
- 性の起源 (1967)
- 本能 (1966)
- 裸の島 (1960)
【プロデューサー】
- ある映画監督の生涯 溝口健二の記録 (1975)
- 裸の島 (1960)
【スタッフ】
- 一枚のハガキ (2011) ── 原作
- 一枚のハガキ (2011) ── 脚本
- 石内尋常高等小學校 花は散れども (2008) ── 脚本
- 石内尋常高等小學校 花は散れども (2008) ── 原作
- 陸に上がった軍艦 (2007) ── 原案・脚本・証言
- ふくろう (2003) ── 脚本
- 午後の遺言状 (1995) ── 原作
- 午後の遺言状 (1995) ── 脚本
- 軍旗はためく下に (1972) ── 脚本
- 激動の昭和史 沖縄決戦 (1971) ── 脚本
- 鬼の棲む館 (1969) ── 脚本
- 千羽鶴 (1969) ── 脚本
- かげろう (1969) ── 脚本
- 眠れる美女 (1968) ── 脚本
- 強虫女と弱虫男 (1968) ── 脚本
- 堕落する女 (1967) ── 脚本
- 性の起源 (1967) ── 脚本
- 華岡青洲の妻 (1967) ── 脚本
- 陸軍中野学校 雲一号指令 (1966) ── 脚本
- 酔いどれ博士 (1966) ── 脚本
- 刺青 (1966) ── 脚本
- 陸軍中野学校 雲一号指令 (1966) ── 原作
- 本能 (1966) ── 脚本
- 傷だらけの山河 (1964) ── 脚本
- 卍 (1964) ── 脚本
- 嘘 (1963) ── 脚本
- しとやかな獣 (1962) ── 原作
- しとやかな獣 (1962) ── 脚色
- 斬る (1962) ── 脚本
- 爛 (1962) ── 脚本
- 鯨神 (1962) ── 脚本
- 家庭の事情 (1962) ── 脚本
- 献身 (1961) ── 脚本
- 女の勲章 (1961) ── 脚本
- 女の坂 (1960) ── 脚本
- 裸の島 (1960) ── 脚本
- 裸の島 (1960) ── 美術
- 夜の鼓 (1958) ── 脚本
- 夜の素顔 (1958) ── 脚本
- 氷壁 (1958) ── 脚本
- 不敵な男 (1958) ── 脚本
【キャスト】
- 陸に上がった軍艦 (2007) ── 証言